「衆議院解散は首相の専権事項だ!」
いま脚光を浴びているフレーズ
もうずいぶんと以前から言い古されてきた「言い方」なのですが
現首相がヘンなタイミング、いや、絶妙なタイミングで言い出したので
なんだか急にマスメディアで説明やら解説がなされている
混線している感じがするが、頭の整理と感想を少し

そもそも「衆議院の解散」
「全衆議院議員の身分を失わせること」
日本国憲法に「解散」の文言が出てくるのは第69条と第7条
だから「69条解散」「7条解散」とは?などと解説がなされる
今回は「7条解散」で天皇の国事行為云々という・・・

でもね、「首相の専権事項だ」ということについて
この解説では説明が不十分なのではないかと思う
解散は天皇の権能、でも天皇には実質的決定権がない
「内閣の助言と承認」が必要だと第3条に書いてある
これが「7条解散」だ、と
説明はここまでしかあまり聞いてない

この先
天皇の国事行為に対する助言と承認をするのは「内閣」です
首相とは「内閣総理大臣」のことだから、「内閣」とは違います
内閣の職務は「閣議」による(内閣法4条)
総理大臣の専権とはなっていない・・・はず
閣議は全会一致でするというのが慣例
(現首相は慣例破りがお好きですが)
どちらにしても「専権」ではない
これには背後の規定を確認する必要がある

内閣は、国会によって指名された内閣総理大臣が組織する
すなわち首相が閣僚を任命する、そして罷免することもできる(憲法68条)
これを踏まえると
首相が「衆議院の解散」をしたいと思ったときに
天皇に解散させるための助言と承認を閣議決定する
このときこれに反対する閣僚があれば「罷免」する
罷免されたくないので普通はみんな従う?(大人の対応?)
たしか「郵政解散」のときには反対して罷免された閣僚がいましたよね

だから「事実上は首相の専権事項」になっている
でもね、そうなると、すべての閣議決定は「首相の専権事項」ではないのか?
一般化されたらたいへんなことだが、実際そうなっているように感じるのは私だけ?

先人たちが築いてきた近代民主主義の制度を骨抜きにする
これが得意な政治家が力を持ち始めた

世話人 記