お客様同士のお話し合いになりますがよろしいでしょうか?

先日、空港で荷物を預ける際に、窓口担当者に言われました
いきなりで意味がちょっとわからなかったのですが、事情はこう
クーラーボックスを受託手荷物として預けようとした
中身は「キハダマグロ」保冷剤のほかに氷も入ってる、これが問題
そうです、水漏れを心配したのです、それは当然の心配です
それでもまだ、先ほどの言には飛躍があると思ったので
預かれないという意味か?と問うと、否、預かれるという
もし水漏れして他人の荷物を濡らすなどした場合には
当社は関知せず乗客同士の話し合いになるがそれでも預けるか?
という趣旨と判明、首を傾げながらもちょっと笑ってしまった
クーラーボックスは了承して預けた

航空便利用時のクーラーボックス携行について、
これまで2社で経験がある
ANAはまったく通常の荷物と同様の扱い
ソラシドエアは、氷入りの場合は、
機内持ち込み手荷物にしてもらう旨説明されたことはある
2社とも羽田空港では無人化されていて、そもそも問題にならない
なおスカイマークは羽田空港でもまだ有人窓口でした
(先ほどの言は鹿児島空港窓口、後日羽田空港でも同様と確認)

さて、今回のスカイマークの対応、
どうやら概ね「社としての対応」であるもよう、
そうだとすると、窓口担当者の先ほどの言、たいへん興味深い
なぜなら「なんかヘンだ」と感じるからだ
言ってることは「あなた加害者になっても良いですか?」
とほぼ同じことでしょ?
そもそも「荷物の水濡れ」に関する注意喚起や了承は、
「濡らされる側」にすべきことではないでしょうか?
預け入れる荷物(受託手荷物)が濡らされてしまったときは、
お客様同士の話し合いになりますがよろしいでしょうか?
ってね

やや理屈っぽく考えてみます
航空会社をS、荷物を預ける乗客をX、Yとします
Xの受託手荷物が濡れてしまったとき、Xはどうするでしょうか
S―Xは旅客運送契約を結んでいる
その一貫で受託手荷物を預かる以上無事に届ける義務負う
よって荷物が無事に届かなかったときは「債務不履行」
損害が発生すれば賠償する必要があるのが民法の原則
スカイマークの運送約款39条2項でその旨確認しています
しかもこの場合、契約関係がある以上
Sは債務不履行はなかったことを証明しないと責任は免れない
そうだとすると矛盾が生じますよね
(なお念のため、
多少濡れたぐらいではSにも賠償責任は生じないでしょう
雨天時には雨にあたってしまうことだってあるのは通常
むしろその程度で損害を受けないよう乗客が対応すべき)

そうだとすると、先ほどの言は、
Xから水濡れの苦情を受けたときは、当社の責任を回避するため
別の乗客Yの責任だとXに通告しYを標的にさせます、
と宣言しているということになるように思えてしまいます
では(そのように)
Xが水濡れの責任をYに追求する場合はどうなるでしょう
X―Yに契約関係はありませから「不法行為責任」を追及することになる
このときXはYの過失や損害発生を証明できなければなりません
Xはそんな面倒なことはせずにSに責任を追及するのが自然です
Yは、氷をポリ袋に入れ、口を結んでクーラーボックスに入れ
蓋が開かないよう空港カウンター備え付けの粘着テープで二重に封じたうえ
Sのビニール袋で包むとの提案を受けその旨依頼しています
これでも過失があったというなら、そもそもSは受託してはいけない
ということになりはしないでしょうか
やはりSの態度は矛盾を孕(はら)んでいるのではないかと思います

そうなると、先ほどの言は、
自社の責任を棚に上げた上で、乗客に対し
当社はあなたを加害者に仕立てることになるかもしれませんが
それでも預けるつもりですかと脅しておいて、
撤回してくれたらラッキーという対応と結論せざるを得ません
それを裏付けるように、スカイマークの約款39条では、
受託手荷物より持込手荷物の方がスカイマークの責任が軽くなっています
(なお、受託手荷物が航空会社の管理下で運ばれるのに対して、
持込手荷物は乗客の管理下にあるのですから、約款の区別は妥当だと思います)
それなら正面から預かれないと断るほうがまだ潔いと思います
この対応だと、やり方がセコイ、不誠実、感じ悪いよね、となってしまいますね
このように受け取られてしまってよろしいのでしょうか?

世話人 記